階段を昇る時は大丈夫だけど、降りる時に膝が痛い患者さんが多い…。
リハビリでどうアプローチしたら良いの?
今回はこんな悩みを解決していきます。
- 階段降段で膝の痛みが出る原因
- 階段降段時の膝痛に対するアプローチ方法
「階段を上る時は大丈夫なんだけど、降りる時に膝が痛い」って訴える患者さんってが多いですよね。
リハビリをしても歩行時や階段昇段時の膝の痛みが改善しても、階段の降段時の痛みの改善はなかなか厄介なもの。
この記事では、臨床で効果のあった階段降段時の膝痛に対するリハビリアプローチを紹介していきます。
それでは早速みていきましょう!
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階段降段時に膝に痛みが出現しやすい理由
階段を降る動作は、主に支持脚の大殿筋、大腿四頭筋、下腿三頭筋の遠心性収縮によって行われます。
ちなみに階段の昇段は、上記の筋肉の求心性収縮で行われます。
ご存知の通り、収縮形態でみると遠心性収縮の方が筋力がより必要とされます。
それにプラスして加速度や体重の影響によって、降段時の方が痛みが出やすくなるというわけ。
- 遠心性収縮が求められる
- 加速度(位置エネルギー)の影響
- 体重の影響
もちろん足部・体幹の影響であったり、姿勢の影響も大いにはありますが…
上記が主に膝痛が出現しやすい原因なので、基本的な戦略としては大殿筋、大腿四頭筋、下腿三頭筋筋力の筋力をしっかりと改善して、体重をコントロールがメインになります。
ですが、じゃあ筋力を鍛えて体重をコントロールしていけば全ての症例が良くなるかと言われれば、必ずしもそれだけでOKというケースだけではないです。
筋力・可動域も問題なくて、さらに体重も適正範囲内なのに階段を降りると膝が痛いという人は多いんだよね
では、その原因とは何か…?
次からリハビリでみるべきポイントを紹介していきます。
階段降段時の膝痛に対してリハビリでみるべき3つのポイント
臨床で、階段の降段時に膝通痛を訴える症例を数多くみるなかで、共通してみられたポイントは以下の3つ。
上記をチェックしていくと良いよ
それぞれ解説しますね!
膝の外反(knee-in)がないか
階段降段時に膝痛を訴える多くのケースでは、支持脚のわずかな外反(knee-in)がみられます。
“パッと”見ただけでは分からないほどの、わずかな外反が出ているのことも多いので、注意深く観察しましょう。
この外反により内側組織への圧縮が高まったり、下腿の外旋が連動し鵞足や側副靭帯にストレスが加わることで痛みへと繋がります。
患者さんに意識的に外反を修正してもらい、痛みが軽減するか確認してみよう
仮に痛みが軽減するなら問題はその外反の動きなので、さらにその原因を探っていきます。
多くは下腿の外旋が出現していたり、後述する股関節外旋筋の筋力低下が原因のことが多い印象。
下腿外旋に関しては、以下の記事を参考にどうぞ。
大腿四頭筋の短縮・硬結がないか
前述の通り、階段の降段動作では大腿四頭筋には遠心性収縮が求められます。
この遠心性収縮はより筋力が必要になるので、筋肉への負担も自然にアップ。
例えば大腿四頭筋に短縮 or 緊張が高ければ、関節への圧縮力が高まり痛みへと繋がります。
また大腿四頭筋にトリガーポイントと呼ばれる硬結があれば、動作時には刺激され膝関節や膝蓋骨部への痛みを感じるようになります。
なので、しっかりと大腿四頭筋の硬さは改善しておきたいポイント!
股関節外旋筋の筋力低下がないか
階段の降段では、膝関節だけでなく股関節がしっかりと安定していることも大切。
前述の通り膝関節の外反が生じるケースが多いので、それを制動する股関節外旋の筋力が低下している人がかなり多いです。
筋力低下が確認できればしっかりと促通してあげよう!
ただ大腿骨頭の前捻と呼ばれる骨構造的な要因で、外旋筋力が発揮できないケースもあるので、そこは事前にチェックしておきましょう!
このチェックは、「クレイグテスト」を用いれば簡単にできます。
クレイグテストの評価方法
- 肢位:腹臥位、膝関節屈曲90°
- 評価方法:検査側の大転子を触知したまま股関節を内旋させる
- 判定基準:股関節を内旋していき、最も大転子が突出する角度が大腿骨前捻角度と一致する
大腿骨前捻やクレイグテストについて詳しく知りたい人は、こちらの記事が参考になります。
まとめ:3つのポイントをチェックして、階段降段時の膝痛を改善しよう!
この記事では、「階段を降りる時に膝が痛い!リハビリでみるべき3つのポイント」について書きました。
階段降段時に膝痛を訴える人は本当に多くいます。
各関節の筋力が求められる動作ではありますが、だからと言って筋力だけにアプローチしていても改善しないケースが多いですよね。
改善しない時には、下記の3つのポイントをチェックしてみてください!
もちろんケースによって、他にも膝痛を引き起こす因子はありますが、上記は多くの人で共通してみられたパターンなので改善の一助になるはず。
参考にどうぞ。
今回は以上です。