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歩行に必要な足部機能

こんにちは!

セラピストであれば誰もが苦戦したことがある歩行観察や歩行へのアプローチ。

歩行観察・アプローチを行う上で大切なことは、正常運動の理解することにプラスして各関節にどういった機能が求められるかを知っておくことです。

特にどういった機能が求められるかを知っておくことはアプローチにも繋がっていきますので重要です。

この記事では歩行に必要な足部機能をピックアップしてお伝えしていきます。

IC〜LR

IC〜LRの主な役割は衝撃吸収になります。

IC〜LRで主に必要な足部機能は以下になります。

  • 前脛骨筋の出力
  • 後足部–回内可動性
  • 距腿関節の安定
  • 外側縦アーチの安定
  • トラス機構
  • 下腿内旋可動性

詳しくみていきましょう!

 

前脛骨筋の出力

足関節における衝撃吸収として、前脛骨筋の遠心性収縮による足部の落下の制動が挙げられます。

そのため前脛骨筋の筋力を確認しておくことが重要です。

MMTのチェックだけでなく、遠心性収縮で制御できるかが重要になってきます。

 

後足部–回内可動性

IC〜LRにかけて後足部(距骨下関節)の回内方向への動きによって衝撃吸収を図り、その後の回外方向(回内の減少)の動きによって安定を図っていきます。

このメカニズムにはショパール関節との連動が重要になってきます。

LRにかけて後足部が回内することで、ショパール関節(距舟関節・踵立方関節)の関節軸が平行に近づき、衝撃吸収のための足根間関節の動きを可能とします。

「結果の出せる整形外科理学療法」より転載

そのためこの部分の可動性がしっかり出ていることが重要になりますので、しっかりと評価していきます。

 

距腿関節の安定

衝撃吸収を図る上では、まずは足部自体が安定していることが重要になります。また身体の中で唯一、床と接する部位としても足部が安定していることは歩行周期全般を通して重要です。

そのために必要な要素が、距骨が遠位脛腓関節(ほぞ穴)にしっかりと嵌り込むかということになります。

この距骨がしっかりと嵌り込んでいるかを評価をしていく必要があります。

評価方法としては以下になります。

最大背屈位にて内外転方向にスライドさせるように動かします。

この際にしっかりと距骨の嵌まり込みがある場合は外転方向への動き(遊び)はないですが、嵌まり込みが不十分な場合は外転方向への動きに伴い遊びが出現します。

しっかりと骨性にロックされているか(安定しているか)をチェックしていきます。

詳しくは以下をご参照下さい。

【臨床で役立つ】足関節背屈制限に対する評価とアプローチ

 

外側縦アーチの安定

接地時の衝撃吸収を図る上で足部アーチが効いていることも非常に重要になります。

臨床でみると外側縦アーチが効かず立方骨が下制しているケースが多くみられます。

そして外側縦アーチが崩れることで内側縦アーチや横アーチまで崩れてくるため、外側縦アーチが効いていることは非常に重要です。

後述のトラス機構と共にチェックしていきます。

 

トラス機構

トラス機構も同じく衝撃吸収に関わり、歩行において重要な役割を果たします。

トラス機構は着地時に足底腱膜が遠心性に伸張することで衝撃を吸収していきます。

 

トラス機構のイメージ

この機能が働かないと身体の各関節にはストレスが加わっていきます。

こういったストレスが慢性的な頚部痛など脊柱周りの痛みなどと関わっているケースもあります。

評価としては踵骨–前後傾中間位として中足骨頭を他動的に挙上(背屈)した際に踵骨のラインと揃ってくればトラス機構が効いていると判断できます。

もしトラス機構が効いていない場合、外側荷重となりやすく立方骨下制・外側縦アーチの崩れへと繋がっていきます。

 

MSt〜TSt(PSw)

MSt〜TSt(PSw)の役割は推進・力の伝達になります。

MSt〜TSt(PSw)で主に必要な足部機能は以下になります。

  • 底屈可動域
  • ウィンドラス機構
  • 下腿三頭筋の遠心性収縮
  • 腓骨筋出力
  • 母趾伸展

詳しくみていきましょう!

 

底屈可動域

蹴り出し時には底屈可動域がしっかりと出ていることが重要になります。

底屈可動域が制限された状態では、蹴り出しが十分に行われず歩行効率の低下へと繋がります。

底屈可動域に関しては、別記事にまとめましたのでご参照下さい。

【見逃しやすい】足関節底屈制限の評価とアプローチ

 

ウィンドラス機構

蹴り出し時には足趾(特にMP関節)が背屈することで、足底腱膜が巻き上げられ足の縦アーチが挙上するウィンドラス機構が重要になります。

ウィンドラス機構によりアーチがある程度挙上し固定されると足部の剛性が増し力の伝達に有利になります。

そのため推進性が高まり、歩行効率の向上に繋がります。

ウィンドラス機構のイメージ

 

前述のトラス機構と共に、足底腱膜の作用によって可動性(柔軟性)を有利にする場面と、固定性(剛性)を高める両極の性質を利用して歩行は行われています。

ウィンドラス機構の評価としては、足底腱膜の柔軟性をチェックしていきます。

足関節中間位で他動的に足趾を伸展した状態で足底腱膜を圧迫した際に際に足趾が屈曲方向へ動けば、適度な足底腱膜の緊張があると判断出来ます。

弛緩した足底腱膜では圧迫した際の足趾の屈曲方向への動きが乏しいです(足趾の背屈角度も大きい)。

 

下腿三頭筋の遠心性収縮

歩行時の筋肉の収縮様式は遠心性収縮を呈します。

特にTStには下腿三頭筋は足部が固定された状態で伸張され、その伸張から解放されることで効率的な動作が遂行されます(伸張反射=ストレッチショートニングサイクル)。

そのため下腿三頭筋がしっかりと伸張できるように背屈可動性と共に筋群の滑走性の低下がないかをチェックしておく必要があります。

滑走性低下の生じやすいポイントは以下になります。

  • 腓腹筋–ヒラメ筋間
  • ハムストリングス–腓腹筋
  • ケーラー脂肪体

この部分に硬さや滑走性の低下(筋間を触り硬さなどをチェック)がないかを診ていきます。

 

腓骨筋出力

蹴り出しの際には足部の側方安定のために腓骨筋の出力がしっかりと出ていることが求められます。

筋力自体が低下しているケースがありますが、腓骨筋と周囲組織の滑走不全により出力が低下しているケースも多くあります。

以下の部分で滑走不全がないかを確認していきます。

  • 腓骨筋–小趾外転筋
  • 腓骨筋–長趾伸筋
  • 腓骨筋–長母趾屈筋

 

母趾伸展

TStでは母趾側での蹴り出しが行われ推進していきます。

特に母趾の伸展可動性は重要となります。

以下の部位に滑走不全がないかをチェックしていきます。

  • 長母趾屈筋–長趾屈筋

 

おわりに

いかがでしたでしょうか?

全てを網羅出来たわけではないですが、臨床で考慮している歩行に必要な足部機能についてまとめました。

お伝えした要素をしっかりと出すことで、足部(末梢)から動作が変化することが分かると思いますので是非チェックして下さい。

最後までお読み頂きありがとうございました!