足関節では背屈制限が問題となることが多く、アプローチする機会が多い思います。
しかし足関節捻挫後や外傷に伴う固定後には底屈制限も頻発します。
また歩行の立脚後期やジャンプ動作を考えた場合には、底屈の可動域をしっかりと出すことは重要になってきます。
この記事では底屈制限の評価とアプローチについてお伝えしていきます。
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足関節底屈の評価
臨床で行なっている底屈の評価は以下になります。
底屈可動域
まずは可動域のチェックです。
足関節底屈の評価に関しては、ROMに加えて簡易的に腹臥位で足背がしっかりとベッド(床)につくかを診ています。
下腿部と足背部が一直線となり、足背部がしっかりとベッド(床)につくだけの可動性は出しておきたいです。
見逃しやすいですが底屈制限は多くみられ、意外とベッド(床)につかないケースは多くみられますのでしっかりとチェックしておきたいです。
距骨の可動性
足関節底屈時には、距骨の前方滑り(+内旋)の動きが必要になります。
臨床では特にこの距骨の内側部分の滑りが阻害されているケースが多く、底屈制限へと繋がっています。
距骨内側部分が滑りにくく外側部分が過剰に動くため、底屈制限のみられるケースでは底屈時に足部の内反の代償が診られやすいです。
併せて底屈時に距骨を触診しながら動きを確認していきます。
腓骨の可動性
足関節底屈時に腓骨は下制+前方移動(+回旋)していきます。
特に外側荷重となっているケースでは腓骨筋群や足趾–外在筋の滑走不全や過緊張の影響で、腓骨の動きが制限されているケースが多くみられます。
腓骨遠位を触診しておき、底屈に伴う動きを確認していきます。
足関節底屈制限へのアプローチ
以下に制限となりやすい箇所のアプローチについていくつか示していきます。
距骨の前方滑りへのアプローチ
距骨の前方後方滑りを促すためには、以下の滑走不全・柔軟性を改善する必要があると考えています。
特に距骨前方組織の柔軟性改善が必須になります。
- 内外果後方の組織の滑走性(長母趾屈筋–長趾屈筋間、後脛骨筋–屈筋支帯)
- 前脛骨筋–長母趾伸筋間の滑走性
- 足趾伸筋群の柔軟性
- 伸筋および屈筋支帯の柔軟性

癒着しやすい部位の一例
腓骨の可動性低下へのアプローチ
評価にて背屈時の腓骨の可動性低下が確認された場合は、以下の滑走不全を改善する必要があると考えています。
- 外果後方–腓骨筋間の滑走不全(腓骨筋腱後方からもリリース)
- 腓骨筋–長趾伸筋間の滑走不全(近位・遠位共に)
- 腓骨筋–長母趾屈筋間の滑走不全

癒着しやすい部位の一例
臨床では立方骨の下制に伴い外側縦アーチ低下により外側筋群が過緊張となっているケースもあるため、足底より立方骨を挙上方向に圧迫しながら底屈を加えアライメントを整える必要もあります。
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おわりに
いかがでしたでしょうか?
臨床では足関節背屈制限に目が行きがちですが、意外と底屈制限も多くみられます。
しっかりと底屈可動域を出すことで動作も変わってきますので、是非チェックしてみて下さい!
最後までお読み頂きありがとうございました。