リハビリのメジャーな運動療法の一つとして“パテラセッティング”があります。
教科書などでも「膝疾患にはパテラセッティングが有効」と書かれているのをよく目にします。
しかし特に若いセラピストからは「効果がよく分からない」、「この運動療法ってやって意味あるんですか?」とよく聞かれます。
みんながやってるからルーティン化してるな
でももちろんそんなことはなく、すごーく効果のある運動療法です!
もし効果を感じていないなら、それはパテラセッティングを行うための条件を見落としている可能性も…。
そんなわけで本記事では、パテラセッティングを効果的に行うためにポイントについてお伝えしていきます。
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パテラセッティングの効果と方法
パテラセッティングは、特に理学療法士の方なら説明不要だとは思いますがまず簡単に説明します。
パテラセッティングの方法
パテラセッティング方法は以下の通り。
過度に下肢が外旋した状態では、外側広筋・大腿筋膜張筋の緊張が高まるため注意
パテラセッティングの効果
- 内側広筋の促通、萎縮防止
- 膝蓋骨の可動性維持(外側偏位の防止)、周囲組織との癒着防止
- 膝関節伸展の可動域維持、改善
- 滑液循環の改善
- 関節包の柔軟性維持、改善
パテラセッティングは関節運動が少なく(等尺性収縮に近い)、痛みを引き起こしにくく関節に負担の少ない運動療法です。
そのため特に膝の外傷後や術後早期の方に対して効果的な運動療法と言えます。
また関節不安定性のある関節リウマチなどの疾患にも、関節への少ない運動療法として選択出来ます。
パテラセッティングで起こりやすい代償
パテラセッティングで起こり易い代償パターンとしては、以下の2パターンがあります。
臨床では、この2パターンがよく観察されます。
骨盤が後傾してしまい大腿直筋が優位なパターン
長座位で行う場合に頻繁に観察される代償です。
パテラセッティングの目的は広筋群、特に内側広筋の促通を狙って行うことが多いです。
そのため骨盤が後傾してしまい大腿直筋が優位な状態では、内側広筋の収縮が不十分となります。
膝蓋骨の動きが伴っていないパターン
膝関節の術後や膝周囲組織の緊張が高い場合には、膝蓋骨の動きが阻害されているケースが多くみられます。
こういったケースにいきなりパテラセッティングを行っても、見かけ上の運動だけになってしまい、膝蓋骨が動かずに内側広筋の収縮も促せていないです。
まずしっかりと膝蓋骨の動きや下腿(特に内旋)の動きを出しておくことが重要となります。
効果的なパテラセッティングの方法
効果的にパテラセッティングを行うポイントは2つ!
- 膝蓋骨・下腿の可動性をしっかりと出しておく
- 骨盤前傾位で行う
膝蓋骨・下腿の可動性をしっかりと出しておくことで、内側広筋が働きやすい土台を作っておくことが重要です。
その上でパテラセッティングを行うことでより効率的になります。
さらにパテラセッティングの際には、骨盤を前傾にすることで腸腰筋が働き、代償として働き易い大腿直筋が抑制されます。
また骨盤前傾で腸腰筋が働くことで相反抑制としてハムストリングが抑制され、より内側広筋に収縮が入りやすくなります。
下腿の可動性について知りたい方は以下をご参照下さい!
膝関節のリハビリを学べるおすすめ書籍
最後に膝関節への理解を深めるための書籍を紹介します。
膝関節を診るセラピストに全力でおすすめするのが、「園部俊晴の臨床 膝関節」という書籍。
評価から治療まで分かりやすく網羅されていて、まさに膝関節のバイブル的1冊。
また石井先生監修のこちらの書籍も、膝関節の機能解剖や運動学を深く学べる良書です。
どちらも持っておいて損しない書籍だよ
まとめ:効果的なパテラセッティングで膝関節機能をあげよう
いかがでしたでしょうか?
セルフエクササイズとしても頻繁に指導する機会の多いパテラセッティング。
より効果的に行うための方法をお伝えしました。
本記事が少しでも参考になればと思います。
最後までお読み頂きありがとうございました。