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殿部の痛みの原因となる末梢神経の絞扼と筋肉【部位別まとめ】

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悩むセラピスト

殿部に痛みを訴える患者さんを担当することが多いです。

でも、原因が分かりません…教えてください。

 

今回はこんな悩みを解決していきたいと思います。

 

この記事で分かること

✔︎ 殿部の痛み・痺れを引き起こす末梢神経

✔︎殿部の末梢神経を絞扼する筋肉

✔︎ 末梢神経に由来する痛みの治療部位

 

股関節や腰椎疾患の患者さんに限らず、殿部に痛みや痺れを訴えるケースは多くあります。

 

この殿部の痛みや痺れの原因は数多くあって、はっきりとした原因が分からず難渋するケースが多いのが現状。

 

殿部の痛みや痺れを引き起こす原因は数多くありますが、殿部へ走行する「末梢神経の絞扼」を考慮することで改善してくるケースも多くあります。

 

さらに、その末梢神経の絞扼に関わる筋肉を知っておくことで、自然とリハビリでのアプローチ方法がみえてきます。

 

この記事では、殿部の痛みや痺れの原因となる末梢神経の走行を部位に紹介して、さらにその末梢神経を絞扼する筋肉についてお伝えしていきます。

 

では、早速みていきましょうー!

目次

殿部外側の痛みの原因となる末梢神経の絞扼

人体のイラスト

引用:VISIBLE BODY

 

まずは殿部(股関節)外側の痛みや痺れに関わる末梢神経について。

 

この部分は、変形性股関節症や腰部疾患の患者さんで訴えの多い部位でもあります。

 

痛み・痺れを引き起こす末梢神経

殿部外側に痛み・痺れを引き起こす末梢神経は2つ。

 

殿部外側に走行する末梢神経

  1. 腸骨下腹神経
  2. 外側大腿皮神経
股関節周りのイラスト

引用:VISIBLE BODY

 

上図をみると分かりますが、これらの末梢神経は以下の筋肉の筋間を通過しています。

  • 大腰筋
  • 腸骨筋
  • 腰方形筋

 

これらの筋肉の緊張が高い場合や、筋肉間の滑走不全が生じている場合に、腸骨下腹神経や外側大腿皮神経が絞扼され、殿部(股関節)外側に痛みや痺れが出現してきます。

 

経験として、特に腸腰筋の柔軟性を改善しておくことが重要。

 

腸腰筋のリリース方法は以下の記事が参考になります。

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殿部上方・仙骨側の痛みの原因となる末梢神経の絞扼

引用:VISIBLE BODY

 

次に殿部-仙骨側の痛みや痺れに関わる末梢神経について。

 

この部分は、腰部疾患の患者さんで訴えの多い部位になります。

 

痛み・痺れを引き起こす末梢神経

殿部-仙骨側に痛み・痺れを引き起こす末梢神経は2つ。

 

殿部上方に走行する末梢神経

  1. 上殿皮神経
  2. 内側臀神経

 

引用:VISIBLE BODY

 

これらの末梢神経は以下の筋肉によって絞扼されることが多いです。

  • 大殿筋
  • 腰方形筋

腰方形筋を貫く上殿皮神経

 

特に上殿皮神経は腰方形筋を貫く形で走行しているため、絞扼されやすい特徴があり、殿部の仙骨側に痛みや痺れが引き起こされます。

殿部全体の痛みの原因となる末梢神経の絞扼

引用:VISIBLE BODY

 

最後に殿部全体の痛みや痺れに関わる末梢神経について。

 

この部分も、腰部疾患の患者さんで訴えの多い部位になります。

 

痛み・痺れを引き起こす末梢神経

殿部全体に痛み・痺れを引き起こす末梢神経は2つあります。

 

殿部全体を走行する末梢神経

  1. 上殿神経
  2. 下殿神経

引用:VISIBLE BODY

 

これらの末梢神経は以下の筋肉によって絞扼・圧迫されることが多いです。

  • 小殿筋
  • 梨状筋

 

上・下殿神経は、これらの筋肉の緊張が高いと絞扼されるだけでなく、深層から突き上げられる形となり、殿部全体の痛みや痺れを引き起こしてしまいます。

末梢神経の理解を深める書籍

今回お伝えしたような末梢神経の絞扼の知識は、解剖学の書籍から得られることが多いです。

 

さらにアプローチして行く際には、実際に筋肉や神経の走行などのイメージを持てているかも重要になってきます。

 

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こちらの書籍は…

解剖のイラストだけでなく、ご検体の写真も数多く載せられており、筋肉や血管、神経の走行や位置関係が把握しやすいです。

 

さらに触診方法も載っていますので、必然的に今回お伝えした末梢神経の絞扼に関わる筋肉へのアプローチにも役立ちます。

 

解剖や触診が苦手という方は、ぜひ参考にしてみて下さい ^ ^

まとめ:殿部の痛みの原因として、末梢神経の影響を考えよう

いかがでしたでしょうか?

 

殿部の痛みや痺れは、脊髄-中枢神経から由来するものや股関節(関節)からの由来で生じるものもありますが、実は末梢神経から由来するケースも多くあります。

 

お伝えした末梢神経の絞扼と絞扼に関わる筋肉の関係性を理解していけば、殿部の痛みや痺れを軽減できるケースも増えてくると思います。

 

今回は以上です。

 

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