腰痛患者さんの訴えで多いのが、体幹伸展(後屈)時の痛みです。
若年者から高齢者まで幅広く痛みを訴える動作で、リハビリでも難渋しやすい痛み…。
僕も結構悩まされるケースが多いな
体幹伸展(後屈)時の痛みを診る上で大切なのは、体幹伸展に必要な身体の構成要素をしっかりと考えリハビリしていくこと!
そうすることで痛みを改善できるケースが増えていきます。
この記事では、体幹伸展時に必要な身体の構成要素とリハビリでのアプローチ方法についてお伝えしていきます。
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体幹伸展時の腰痛を改善する3つの要素
腰痛が出現せずスムーズに体幹伸展を行っていくには、身体の動きの中で3つの要素が必要になると考えています。
細かく診ていくと、他にも数多くの要素が必要ですけど、この3つを押さえておくと多くのケースに対応できてきます。
椎間関節の柔軟性
体幹伸展時の腰痛では、まずは椎間関節の柔軟性(拘縮がないか)をチェックしていく必要があります。
ある一部分の椎間関節の柔軟性が低下した状態では、その部分だけで伸展動作が行われる様になり、腰痛へと繋がっていきます。
椎間関節の柔軟性は必ずチェックしておきたいポイント
特に小中高生や、腰部脊柱管狭窄症の患者さんでは、この椎間関節が拘縮していくケースが多い印象です。
腰椎椎間関節のリハビリについては、こちらの記事でくわしく解説しています。
骨盤の前方移動(股関節伸展)
体幹伸展では、脊柱の動きに目が行きがちになりますが、骨盤が前方に動くことが重要になってきます。
むしろこの骨盤の前方移動が出ないと、脊柱だけの動きになってしまい、局所ストレスを強めて腰痛へと繋がります。
この骨盤の前方移動を作り出すのは、股関節の伸展です。
腰部疾患の方では、この股関節の伸展が出にくくなっているケースが多くあります。
つまり、股関節の屈曲拘縮の状態(程度の差はありますが…)
股関節伸展の可動域を獲得していくためには、以下の筋の柔軟性が必要になってきます。
- 腸腰筋(大腰筋、腸骨筋)
- 大腿四頭筋
- 大腿筋膜張筋
上記部位の柔軟性を改善し、股関節伸展の動きを獲得していく事が重要になります。
いきなり上記の筋をストレッチするだけでは効果が乏しいので、前段階として滑走不全を改善しておく事が望ましいです。
具体的なアプローチのポイントは…
- 腸腰筋全体(4ヶ所)
- 大腿四頭筋-縫工筋間
- 大腿四頭筋-大腿筋膜張筋間
- 大腿筋膜張筋-中殿筋間
さらに筋群の柔軟性でけでなく、骨盤の前方移動時には、大腿四頭筋には遠心性の収縮形態が求められます。
この大腿四頭筋の遠心性収縮を高めるポイントは、前脛骨筋です!
アナトミートレインのスーパーフィシャルフロントライン(SFL)からも、大腿四頭筋と前脛骨筋は連結しています。
前脛骨筋の緊張が高いケースでは、大腿四頭筋の筋機能が低下しているケースがあります。
そのため、大腿四頭筋の遠心性収縮を獲得するためには、前段階として前脛骨筋の柔軟性を獲得しておくと良いです!
頚椎の伸展
脊柱は全体でバランスを取りながら動きを作り出しています。
さらに人の動きは。目線の動き → 頚部の動き → 胸椎の動き……の様により身体の上位の部位の動きから生じていく事が多いです。
特に動きとしてまず大きいのが頚部の動き
体幹伸展時に、頚部の伸展が制限されてしまうと、カウンターとして腰椎の過剰な動きを誘発してしまい、腰痛へと繋がります。
腰椎・腰部疾患のリハビリを学べるおすすめ書籍
腰部疾患については臨床でもよく担当する疾患なので、しっかりと理解を深めておきたいところ。
症状も腰痛に殿部・下肢痛、痺れなど多岐に分かり複雑ですが、成田先生の「成田崇矢の臨床『腰痛』」と赤羽根先生の「腰椎の機能障害と運動療法ガイドブック」は複雑な腰部疾患を理解する上で多くのヒントをくれる良書です。
どちらも臨床力をアップさせてくれるよ
まとめ:動きの要素を理解して体幹伸展(後屈)時の腰のリハビリをしよう
いかがでしたでしょうか?
腰痛が出現せずに、スムーズな体幹伸展を行うためには3つの要素が必要です。
- 椎間関節の柔軟性
- 骨盤の前方移動(股関節伸展)
- 頚椎の伸展可動性
まずはこの3つの要素がしっかりと獲得出来ているかを確認してみてください!
体幹伸展時に腰痛が出ている患者さんでは、どこかでエラーが起こっていると思います。
最後までお読み頂きありがとうございました。