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腰部疾患を鑑別するための理学検査まとめ!

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腰椎ヘルニア、坐骨神経痛、腰部脊柱管狭窄症などの腰部疾患…

リハビリでも担当する機会の多い疾患ですよね!

そこで大切なのが本当に診断された疾患由来で症状が出ているかどうかの鑑別!

診断名を鵜呑みにしてリハビリしてると失敗してしまうケースは多いですよね!?

この記事ではそんな腰部疾患を鑑別するための理学検査をまとめていきます。

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目次

腰部疾の理学検査一覧

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアの好発部位は、L4/5・L5/S1と下位腰椎に多くみられます。

下位腰椎は可動性の大きい部分であり、ストレスが掛かりやすくなっています。

症状については、 片側の下肢痛が多いです。

特徴として上位腰椎椎間板ヘルニアでは腰部痛・股関節痛を訴えることもありますが、下位腰椎椎間板ヘルニアでは腰部痛を訴えないのが典型的です。

臨床では画像所見と症状が一致しないことや画像上はヘルニアが存在するが症状はない事が多くあり、ヘルニア由来で症状が出ているかの鑑別が必要になってきます。

鑑別検査は以下になります。

■下肢挙上テスト(SLRテスト)

検査肢位:背臥位

検査方法:検査者が患者の下肢を他動的に持ち上げる(膝関節は伸展位)

判断基準:下肢後面に電気が走るような放散痛が出れば陽性(SLR角度は70°以下)

※腰椎椎間板ヘルニアと坐骨神経痛で陽性となる。腰部脊柱管狭窄症では症状は出ない。

■ブラガードテスト

検査肢位:背臥位

検査方法:SLR陽性角度より5°下げ、足関節背屈を加える(膝関節は伸展位)

判断基準:下肢後面に電気が走るような放散痛が出れば陽性

※腰椎椎間板ヘルニア、坐骨神経痛で陽性となる。

※ハムストリングの伸長痛による影響を除去できる。

■大腿神経伸展テスト(FNSテスト)

検査肢位:腹臥位

検査方法:検査者が膝関節を屈曲させ、さらに股関節を伸展させる

判断基準:大腿前面に電気が走るような放散痛が出れば陽性

上位腰椎椎間板ヘルニアで陽性となる。

■ケンプ徴候

検査肢位:立位

検査方法:検査者の体幹を側屈+後屈させる

判断基準:側屈+後屈した側の下肢後面に電気が走るような放散痛が出れば陽性

※腰椎椎間板ヘルニアと腰部脊柱管狭窄症で陽性となる。

※ケンプ徴候が陽性、SLRテストが陰性の場合には腰部脊柱管狭窄症と判断できる。

※腰部痛のみ出現した場合には、椎間板由来・腰椎分離症の可能性を考える。

■膝蓋腱反射

検査肢位:背臥位(下肢屈曲位)、座位

検査方法:膝蓋腱にテンションを掛けた状態で、打腱器などで叩く

判断基準:L4レベルでのヘルニアでは反射の低下or消失となる

※縫工筋や大腿四頭筋の筋緊張が亢進している場合にも腱反射が低下することに注意が必要。

■アキレス腱反射

検査肢位:背臥位

検査方法:アキレス腱にテンションを掛けた状態で、打腱器などで叩く

判断基準:S1レベルでのヘルニアでは反射の低下or消失となる

※長趾屈筋の筋緊張が亢進している場合にも腱反射が低下することに注意が必要。

腰部脊柱管狭窄症

高齢者に好発する疾患であり、若年層にはほぼ見られない。

症状としては、間欠性跛行が特徴的。その他には感覚障害、膀胱直腸障害が挙げられる。

鑑別検査は以下となります。

■ケンプ徴候

検査肢位:立位

検査方法:検査者の体幹を側屈+後屈させる

判断基準:側屈+後屈した側の下肢後面に電気が走るような放散痛が出れば陽性

※腰椎椎間板ヘルニアと腰部脊柱管狭窄症で陽性となる。

※腰部脊柱管狭窄症の約半数が陽性となる。

■膝蓋腱反射

検査肢位:背臥位(下肢屈曲位)、座位

検査方法:膝蓋腱にテンションを掛けた状態で、打腱器などで叩く

判断基準:L4レベルでの腰部脊柱管狭窄症では反射の低下がみられる

※縫工筋や大腿四頭筋の筋緊張が亢進している場合にも腱反射が低下することに注意が必要。

■アキレス腱反射

検査肢位:背臥位

検査方法:アキレス腱にテンションを掛けた状態で、打腱器などで叩く

判断基準:S1レベルでの腰部脊柱管狭窄症では反射の低下がみられる

※長趾屈筋の筋緊張が亢進している場合にも腱反射が低下することに注意が必要。

■ Hip−up(ヒップアップ)

検査肢位:背臥位

検査方法:両下肢を屈曲し、殿部をあげる

判断基準:L4レベルでの腰部脊柱管狭窄症では、疼痛や筋力低下がみられる

※筋力低下に合わせて膝蓋腱反射の低下がみられるやすい。

■ 足関節−底背屈の筋力

検査肢位:背臥位

検査方法:両下肢を屈曲した状態で足関節の底背屈をさせる

判断基準:S1レベルでの腰部脊柱管狭窄症では、疼痛や筋力低下がみられる

※筋力低下に合わせてアキレス腱反射の低下がみられるやすい。

坐骨神経痛

腰から下肢にかけて走行している坐骨神経が様々な原因で圧迫・刺激されることで出現する。

多くの場合、腰痛に引き続き発症し次いで殿部より遠位へ痛みや痺れが出現してくる。

鑑別検査は以下になります。

■下肢挙上テスト(SLRテスト)

検査肢位:背臥位

検査方法:検査者が患者の下肢を他動的に持ち上げる(膝関節は伸展位)

判断基準:下肢後面に電気が走るような放散痛が出れば陽性(SLR角度は70°以下)

※腰椎椎間板ヘルニアと坐骨神経痛で陽性となる。

■ブラガードテスト

検査肢位:背臥位

検査方法:SLR陽性角度より5°下げ、足関節背屈を加える(膝関節は伸展位)

判断基準:下肢後面に電気が走るような放散痛が出れば陽性

※ハムストリングの伸長痛による影響を除去できる。

■FAIR肢位

検査肢位:側臥位

検査方法:症状のある側を上に側臥位となり、上の足の膝を下ろす(足部は反対の足部の上に置いておく)

判断基準:疼痛が出現すれば陽性

※坐骨神経痛、梨状筋症候群では陽性となる。

■ボンネットテスト

検査肢位:背臥位

検査方法:症状のある側の膝を立て、検査者は膝が内側へ倒れるように押さえる

判断基準:疼痛が出現すれば陽性

※坐骨神経痛、梨状筋症候群では陽性となる。

※FAIR肢位より負荷量は強い。

梨状筋症候群

梨状筋による坐骨神経の絞扼が原因とされています。

殿部の圧痛に加えて坐骨神経領域のしびれ・疼痛を特徴です。

鑑別検査は以下になります。

■FAIR肢位

検査肢位:側臥位

検査方法:症状のある側を上に側臥位となり、上の足の膝を下ろす(足部は反対の足部の上に置いておく)

判断基準:疼痛が出現すれば陽性

※坐骨神経痛、梨状筋症候群では陽性となる。

■ボンネットテスト

検査肢位:背臥位

検査方法:症状のある側の膝を立て、検査者は膝が内側へ倒れるように押さえる

判断基準:疼痛が出現すれば陽性

※坐骨神経痛、梨状筋症候群では陽性となる。

※FAIR肢位より負荷量は強い。

仙腸関節痛

仙腸関節を中心として疼痛が一般的ですが、片側の腰臀部痛、下肢痛も多くみられます。

ヘルニアなどの腰部疾患由来の症状と酷似しているため鑑別が必要となります。

鑑別検査は以下になります。

■パトリックテスト

検査肢位:背臥位

検査方法:股関節屈曲(flexion)、外転(abduction)、外旋(external rotation)、伸展(extention)させる。

頭文字をとりFabere(ファベレー)と呼ばれる

判断基準:股関節に詰まり感や疼痛、殿部に疼痛が出現すれば陽性

※仙腸関節痛、股関節痛では陽性となる。

※坐骨神経痛では陰性となる。

■ニュートンテンス

検査肢位:背臥位(③のみ腹臥位)

検査方法:①両側腸骨を左右へ押しひらく、②両側腸骨を左右から挟み込み、③仙骨を上方より圧迫

判断基準:疼痛が出現すれば陽性

股関節痛

腰部疾患でも鼠径部や股関節付近に疼痛や痺れを訴えるケースも多く、股関節由来の症状かどうかを鑑別する必要があります。

鑑別検査は以下になります。

■パトリックテスト

検査肢位:背臥位

検査方法:股関節屈曲(flexion)、外転(abduction)、外旋(external rotation)、伸展(extention)させる。

頭文字をとりFabere(ファベレー)と呼ばれる

判断基準:股関節に詰まり感や疼痛、殿部に疼痛が出現すれば陽性

※仙腸関節痛、股関節痛では陽性となる。

※坐骨神経痛では陰性となる。

おわりに

代表的な腰部疾患を鑑別するための理学検査をお伝えしました。

セラピストは診断をすることは出来ませんが、どの動きで症状が再現されるかを確認する必要はあります。

臨床では診断と症状が一致しないケースは非常に多いですので、お伝えした検査方法を一つの参考にして評価を進めて原因を探って頂ければと思います。

評価がしっかりできると、患者さんに症状の原因をしっかりと説明出来ますし、改善率も自然と上がりますよね(^ ^)

最後までお読み頂きありがとうございます!

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