痛み・痺れに対するリハビリをする機会は多いですよね。
ただアライメントや動作、各種評価をして原因を探って治療していきますが、原因も多彩だったりで難渋するケースも多いと思います。
中にはイマイチ原因が分からず、一般的な症状の訴える場所とは違うようなケースも多いです。
色んなアプローチがあるし、どれが良いやら悩むよね
痛み・痺れに対する治療アプローチは数多くありますが、トリガーポイントの概念を知っていると解決できることは多いです。
むしろ痛み・痺れを治療対象にするなら、トリガーポイントは知っておかないといけない概念と言っても過言ではないです。
そんなわけで本記事で、トリガーポイントアプローチについてお伝えしていきます。
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臨床における疑問
皆さんは、リハビリを行う中でこんな疑問を持ったことはないでしょうか?
特に整形疾患…腰ヘルニアとかの患者さんを診ていて…
- 「画像所見と症状が一致しない…」
- 「手術したのに痛みが取れていない…」
- 「医師の診断上は問題ないとされたが、痛みや痺れが続いている…」
きっとこう感じたことはあるのではないでしょうか!?
実際に『腰痛の85%が原因不明』とも言われています。
患者の症状は多彩で臨床推論が上手くいかないことは多いですよね
結局、メンタル?と片付けたくなりますが…(笑)
ですが今回お伝えしていくトリガーポイントを知ることで、原因がはっきりとするケースも多くあります!
トリガーポイントとは?
トリガーポイントとは、『骨格筋の索状結節中に触知できる関連痛を伴う筋硬結』と定義されています。
簡単に言うと筋肉内にある“コリ”で、押すと特定の領域に痛みや痺れを伴うものです。
本当にトリガーポイントは身体の様々な部分に存在しています。
簡単なところで言うと、例えば前脛骨筋の近位部を母指などで押すと、足首あたりにじわーっと鈍痛の様な痛みが生じると思います。
これがまさしくトリガーポイント!
トリガーポイントの症状
トリガーポイントの代表的な症状を紹介していきます。
関連痛
これがトリガーポイントの一番の特徴です。
トリガーポイントを押圧すると特定領域に鈍痛や深部痛として現れます。
トリガーポイントは関連痛が出る場所がある程度パターン化されていますので、非常に分かりやすいです。
いくつかの筋肉の関連痛は後述します
感覚異常
痺れ、灼熱感、過敏性などの感覚異常もトリガーポイントの特徴です!
これは血管や神経がトリガーポイントによって圧迫されることによって生じます。
自律神経異常
目の充血、涙の過剰分泌、鼻汁、鳥肌、不整脈もケースによっては、トリガーポイントの影響で生じます。
トリガーポイントでこれらの症状が出るのは意外ですよね!
トリガーポイントで鳥肌が生じているケースにはまだ出会ったことはないですが(笑)
運動障害
骨格筋内に生じる硬結によって可動域制限、筋力低下が出てきます!
さらに関節のズレや目眩、平衡感覚異常も生じます。
トリガーポイントの発生機序
まずは激しい運動や生活習慣、不良姿勢により筋緊張が亢進します。
この段階では栄養不足、心理的ストレスも影響してきます。
これに伴って血行不良、酸素不足になり、疲労物質や発痛物質の停滞が起き、トリガーポイントが発生してしまいます。
トリガーポイントの関連痛例
それでは実際に関連痛のパターンを見ていきましょう!
まずは腰部疾患、腰痛関連のトリガーポイント。
腸腰筋
腰部・下肢痛、痺れでは必ず診ておきたい最重要の筋肉。
関連痛領域は下部胸椎〜仙腸関節までの傍脊柱部、殿部の上方、大腿前面・鼠径部です。
腰部疾患の患者さんの訴えの多い部位と似ていますよね
この腸腰筋によって関連痛が出ているケースは多く、しっかりと診ておきたい筋肉です。
大殿筋
この大殿筋も腰部疾患では必ず診ておきたい筋肉になります。
関連痛領域は殿部、仙骨周囲、坐骨結節周囲になります。
殿部全体の関連痛に関わってきます。
この部分も訴えとして多いですよね
小殿筋
小殿筋の関連痛の特徴は、坐骨神経痛と似た症状を出すこと。
関連痛領域は殿部下部〜大腿後面〜下腿後面、殿部下部〜大腿外側〜膝〜下腿部になります。
足部まで関連痛が出ることも特徴だよ
梨状筋
梨状筋の関連痛も坐骨神経痛と間違われることが多いです。
関連痛領域は殿部〜大腿後面、仙骨辺縁になります。
続いて上肢のトリガーポイントも。
斜角筋
頚部や上肢疾患では必ず診ておきたい最重要の筋肉。
多彩な関連痛を出します。
関連痛領域は肩周囲、上背部・肩甲骨内側、上腕、手部(母指側)になります。
頚椎疾患の患者さんでも、この辺りに症状を訴えられるケースは多いですよね?!
棘上筋
棘上筋も押さえておきたいポイントになります。
関連痛領域は肩外側の深部、上腕外側〜前腕・手関節になります。
肩関節周囲筋で上腕外側に痛みを訴えるケースは多いですよね
関節のインピンジメント?と考えられるケースでも、実は棘上筋のトリガーポイントというケースは多いです。
棘下筋
肩後面に存在する筋肉ですが、関連痛は肩前面に出現することが特徴。
関連痛領域は肩前面を中心に上腕、手指になります。
肩前面の痛みので最も多い原因だよ
以上、いくつか関連痛のパターンをお伝えしました。
いかがでしたでしょうか?
関節や神経が原因と考えていた痛みが、実はこの筋肉のトリガーポイントの関連痛だったなんてケースは非常に多いです!
トリガーポイントの参考書には、この他にも多くの筋肉の関連痛のパターンが表記されていますので、興味があればチェックして見てください!
トリガーポイントの治療法
トリガーポイントの解消法は様々報告はされていますが、個人的には“虚血圧迫法”が最も効果が高いと感じています。
この方法のメリットは、単純に“トリガーポイントを押すだけ”で良いということ。
触診でトリガーポイントを見つけ、押圧して診て関連痛が再現できればあとは押すだけ!
NRS6〜7の痛みで押していくのがポイント
圧迫の時間はケースによりますが、約30秒〜90秒程度。
最初にあった痛みより軽減してきたら、またNR6〜7の程度で圧迫を繰り返していきます。
これを3回程度繰り返すと症状が軽減してくるケースが多いよ
デメリットは、痛いということ!!
あとは押すだけの手技ではありますが、触診と圧迫の精度がかなり必要ということ。
これは日々の鍛練ですね!
トリガーポイントを学べるおすすめ書籍
トリガーポイントに関する書籍はいくつかありますが、特に分かりやすいのが「誰でもできるトリガーポイントの探し方・治し方」です。
トリガーポイントの基礎知識から評価・治療方法、各筋肉の関連痛まで詳しく書かれている良書です。
トリガーポイントを学ぶにはまず手に取って欲しい一冊
また関連の「誰でもできるトリガーポイントの探し方・治し方 【腰痛】」も腰痛に特化していて分かりやすくおすすめです。
トリガーポイントアプローチまとめ
いかがでしたでしょうか?
臨床では、トリガーポイントによって痛みや痺れが出ている非常にケースは多いです!
筋肉の要素をリハビリに取り入れることで、解決できるケースも増えてきます。
気になった方は参考書を見たり、セミナーも開催されていますので参加してみるのが良いと思います!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。