【扁平足のリハビリ】扁平足発生と後脛骨筋の関係

扁平足(内側縦アーチの過剰低下)はシンスプリントなどの足部疾患だけでなく、膝関節など足部より上位の関節、また全身にストレスを与える因子となり得ます。

扁平足に対してリハビリでアプローチする際には、足部の筋群による動的な支持を高めることが重要になってきます。

足部アーチの保持に関わる筋は数多くありますが、その中でも特に重要となる筋肉が後脛骨筋です。

この記事では扁平足のリハビリをする上で必ずチェックすべき後脛骨筋との関係についてお伝えしていきます。

扁平足と後脛骨筋の関係

まずは後脛骨筋の簡単な解剖から。

起始:脛骨後内側、骨間膜、腓骨

 

停止:舟状骨粗面、楔状骨、第2・3・4中足骨

 

※下腿遠位1/3で腱に移行する

 

作用:足関節底屈、内反

上記の様な解剖学的特徴から、後脛骨筋は足底の複数の部位に停止をもつことから、荷重負荷に対して足部内側縦アーチの低下を防ぐ機能を持つとされていて、扁平足のリハビリの際には重要な筋肉となります。

 

扁平足と後脛骨筋

扁平足(内側縦アーチの過剰低下)に対しては、骨・関節包・靭帯などの静的支持組織による制動と足部の筋群による動的な支持による制動が必要になってきます。

この筋群による動的な支持の中で、特に重要とされている筋肉が後脛骨筋です。

 

後脛骨筋は足部内側縦アーチの保持に大きく関わってきます!

後脛骨筋の機能には後脛骨筋腱の状態が大きく影響するとされています。

 

後脛骨筋腱は屈筋支帯に支持されながら足根管内を走行し、内果後方でほぼ直角に走行角度を変えるため摩擦ストレスが加わりやすくなります。

またこの部分は血流が乏しい特徴もあります。

こういった急峻な権走行角度の変化と血流の乏しいいう特徴から後脛骨筋腱の退行変性が生じやすくなります。

 

 

腱の退行変性によって、後脛骨筋の緊張力を伝達できなくなり、足部アーチ保持機能を果たすことができなくなってしまいます。

そして次第に足部アーチは低下していき、扁平足へと繋がっていきます。

 

ちなみに腱がたった1cm伸長されることによって、足部アーチの主要な保持機能としての機能が失われるとされています。

 

扁平足の発生機序

成人における後天的な扁平足の原因として、最も多い病態は後脛骨筋腱の機能不全です!

その割合は約80%の症例にみられたとする報告もあります。

多くの扁平足の方で後脛骨筋の機能不全が要因として考えられます。

 

 

この後脛骨筋腱の障害は、繰り返しのメカニカルストレスや高血圧・糖尿病による血流障害が原因とされています。

 

こういった後脛骨筋腱の機能不全によって距骨下関節の外がえしに対する制動作用が機能しなくなり、静的支持組織である靭帯にストレスが掛かり、靭帯の伸長・機能不全と繋がり扁平足へと繋がっていきます。

後脛骨筋・腱の機能評価

扁平足の原因として後脛骨筋腱の機能不全が多いとお伝えしましたが、臨床では様々な要因が関わっています。

本当に後脛骨筋腱の機能不全なのか評価していく必要があります。

 

臨床で扁平足における後脛骨筋・腱の機能評価には以下を確認しています。

後脛骨筋腱の機能評価
  • 足部アライメント(変形の有無)
  • 疼痛の有無
  • 足部内反筋力
  • ヒールレイズの動態
  • too many toe signの確認

 

足部アライメント(変形)の確認

アライメントの評価としては、後足部だけでなく前・中足部の変形の有無をチェックしていきます。

後足部の外がえしをチェックするだけでは不十分で、変形が進んでくると前・中足部にもアライメント変化が生じてきます。

扁平足において、前・中足部は外転位を呈してきます。

この後足部の外がえしや前・中足部の外転偏移のアライメントチェックと徒手的な修正が可能かどうかをみていきます。

 

足部内反筋力

後脛骨筋は下腿筋群の中で最も内反方向へのモーメントアームが長いため、OKC(非荷重)において徒手的に外反方向に抵抗を加えて筋力を評価することが可能です。

後脛骨筋の筋力評価の際には、股関節内転・内旋による代償に注意が必要です。

左右差も忘れずチェックします!

 

ヒールレイズの動態

荷重下における後脛骨筋腱の機能評価としては、ヒールレイズ(踵上げ)をチェックすることが多いです。

通常、ヒールレイズを行った際には、後足部は後脛骨筋の作用によって軽度内反します。

しかし後脛骨筋腱の機能不全例では、ヒールレイズの際にこの後足部の内反の動きがみられません。

後脛骨筋が作用せず、外がえしのままで挙上します。

 

too many toe signの確認

最後にtoo many toe signの確認です。

アライメント評価と被る部分ではありますが、扁平足の患者さんの足部を後方から観察すると、健側に比較して患側の足趾が多くみえるケースがあると思います。

下図の右足のように足趾が多く見えているケース。

 

 

これがtoo many toe signと呼ばれるものです。

これは後脛骨筋腱の機能不全によって、後足部外反+中足部外転している場合に観察されます。

こういった現象が確認された場合には後脛骨筋腱の機能不全を疑います。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

扁平足は今や現代病と言ってもいいほど、多くの方で観察される現象であり、扁平足・内側縦アーチの低下は身体各部の機能に大きく影響します。

扁平足の原因としては、後脛骨筋腱の機能不全が大きく関わっているケースが多くみられます。

扁平足に対してリハビリする際には後脛骨筋腱を意識して評価・アプローチしてもらえたらと思います。

最後までお読み頂きありがとうございました。