こんにちは!
足関節内反捻挫は臨床ではよく遭遇する疾患の一つに挙げられます。
スポーツをしていて過去に内反捻挫を経験した方も多いのではないでしょうか?
足関節内反捻挫のうち約60%が前距腓靭帯(ATFL)の単独損傷とされています。
私の勤務するクリニックでも、中高生が大会時期になるとこの前距腓靭帯損傷で来院することが多くなります。
前距腓靭帯損傷後のリハビリを進める上で、不安定性の有無・程度が負荷量の変化やスポーツ復帰の一つの判断基準となってきます。
参考書などでもよく見るこの不安定性というワード…実際にイメージし難くいと感じたことはないでしょうか?
この記事では、前距腓靭帯損傷後の不安定性に着目しエコー画像も示しながら不安定性をお伝えしていきたいと思います。
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前距腓靭帯とは
まずは解剖から。
前距腓靭帯(ATFL)
近位付着部:外果前下端
遠位付着部:距骨頸部外側
作用:足関節底屈位での内反制動、距骨の前方移動の制限
前距腓靭帯損傷の受傷機転
前距腓靭帯は、底屈位での内反で緊張する靭帯です。
足関節外側靭帯の中でも、強度が乏しく最も損傷が多い靭帯になります。
そのためジャンプの着地や他の選手の足の上に乗るなど、底屈・内反が強制されることで損傷します。

内反捻挫
また前距腓靭帯損傷の急性期や回復期において、足関節の底屈や後外側への振り向き動作で、伸張ストレスが加わると疼痛が発生します。
前距腓靭帯損傷の経過は?
損傷程度に応じた適切な治療が施されれば良好な経過を辿る事が多いです。
しかし靭帯損傷の修復過程で再び過度なストレスが加わったり、内反捻挫を繰り返すことで不安定性が残存します。
それが将来的には、慢性足関節不安定症や変形性足関節症へと移行してしまいます。
そのため靭帯損傷の修復程度・不安定性を把握しながら、適切なアプローチを行う必要があります。
前方引き出しテスト
前距腓靭帯損傷の鑑別や不安定性を把握するテストの一つに前方引き出しテストがあります。
何となく養成校で習ったという記憶があるのではないでしょうか?
方法
・患者の正面に立ち、片方の手で下腿を固定
・もう片方の手で足部を把持
・下腿を固定した手は動かさず、足部を把持した方のみ自分に引き寄せるように動かす
陽性判断
・靭帯損傷部の痛みの出現の有無
・健側との比較による移動量・制動感の差
・end feelの消失

前方引き出しテスト
この前方引き出しテストや内反ストレステストを行いながら不安定性の程度を把握していきます。
前距腓靭帯のエコー画像
では前方引き出しテストを行った際に、前距腓靭帯がどのように動いているか見ていきましょう!
今回は受傷直後と受傷後2ヶ月が経過した患者さんのエコー画像を提示します。(※二つの画像は同一人物のエコー画像ではないことに注意して下さい)
前距腓靭帯がどのような状態になっていて、どのうような動態をするのかをチェックしていきましょう。
受傷直後
受傷直後のエコーになります。
前距腓靭帯の線維性の連続が不整であり、断裂部位が確認出来ます。
前方引き出しテストに対して不安定性があるのが確認できます。
受傷後2ヶ月
受傷後2ヶ月のエコーになります。
線維性の連続が改善し、断裂部位は確認出来ません。
前方引き出しテストに伴う不安定性も改善しているのが分かります。
この様にエコーで見ると、前距腓靭帯部分の不安定性が確認出来ます。
実施に画像として見ることで靭帯損傷がどういったものかイメージ出来たのではないでしょうか?
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おわりに
いかがでしたでしょうか?
前距腓靭帯後の不安性をエコー画像を提示してお伝えしました。
エコーで前距腓靭帯が損傷した状態ではどのようになっているか、不安定性に着目しました。
実際にエコーでリアルタイムで靭帯がどのような動態をしているかを把握することで、不安定性がイメージしやすくなります。
エコーを使える環境にあるセラピストの方は是非、活用してもらえたらと思います。
最後までお読み頂きありがとうございます!